Talk Session
デザイナー柳原 照弘
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オープンハウスグループINNOVACIAブランド責任者 山本 修平
日常に新たな体験を×
オープンハウスグループINNOVACIAブランド責任者 山本 修平
生むために
TALK SESSION
革新と本質をテーマに誕生した新ブランド「INNOVACIA」。
その第一弾となる「イノベイシア恵比寿」について、共用部設計を手掛けたデザイナー・柳原照弘さんと、
INNOVACIAブランドの責任者である山本修平がブランドが掲げる思想や、イノベーションラグジュアリーという新しい価値観、
そして空間設計に込めた想いなどを対談を通して紐解いていきます。
その第一弾となる「イノベイシア恵比寿」について、共用部設計を手掛けたデザイナー・柳原照弘さんと、
INNOVACIAブランドの責任者である山本修平がブランドが掲げる思想や、イノベーションラグジュアリーという新しい価値観、
そして空間設計に込めた想いなどを対談を通して紐解いていきます。
デザイナー
柳原照弘
/ Teruhiro Yanagihara Studio
Teruhiro Yanagihara Studio主宰。プロダクトデザイン、インテリアデザイン、ブランドのクリエイティブディレクション、アートディレクションなど包括的な提案を行う。神戸と仏アルルにスタジオ兼ギャラリースペースVagueを構え、日本、フランス、イギリス、台湾、オランダを拠点に国や文化の境界を越えたプロジェクトを手がける。
オープンハウスグループ マンション開発事業部 / INNOVACIAブランド責任者
山本修平
大学院修了後、建築設計事務所で意匠設計職として建築に携わり、2022年にオープンハウスへ入社。現在はマンション開発事業部で推進業務を担うとともに、ブランドの価値を育む役割を務める。設計と開発の両面を経験してきた視点から、新しい住まいづくりに取り組んでいる。
1.イノベイシア恵比寿に込められた意図
まず、INNOVACIAブランドについて教えてください。
山本:INNOVACIAブランドは、 新しいラグジュアリーの世界観を提案するオープンハウスのマンションにおける最高峰ブランドです。
INNOVACIAという名前には、"イノベーション・革新"という意味が込められています。これまでにない価値を実感していただけるマンションを目指しており、自分にとって本当に大切な価値観を持たれている方や、これからも駆け上がっていくバイタリティがある方に届いて欲しいと思っています。
その最初のマンションをなぜ柳原さんに依頼されたのですか?
山本:革新的なマンションをつくっていくと決まった中、元々インテリア家具を相談していたカッシーナ(Cassina ixc.)さんとのつながりで柳原さんをご紹介いただいたのがきっかけでした。
その後、柳原さんから提案いただいた構想が、まさに我々が目指すビジョンが形になっていて、すぐにお願いさせていただきました。
その後、柳原さんから提案いただいた構想が、まさに我々が目指すビジョンが形になっていて、すぐにお願いさせていただきました。
柳原:ブランドの目指す方向を明確にご共有いただいたので、具体的なイメージを描けました。コンセプトがいまの時代に必要な考え方だったので、率直にすごくいいなと思いましたね。
山本:我々の考えをそのまま形にしていただいたので、驚きました。今回の物件のポテンシャルやブランドコンセプトと柳原さんのデザインの考え方が、ぴったり合ったという印象ですね。
2.INNOVACIAブランドが掲げる"革新"と"本質"
これまで革新的なプロジェクトを手がけてきたお二人にとって、「革新」とは何ですか?
柳原:自分たちのプロジェクトが革新的かはわからないのですが、共通しているのは未来を見据えてデザインすることです。過去のリサーチを行い、歴史的にもデザイン的にも分断しないようにすることを重視しています。
全く新しい文脈でつくると、既存の人たちや市場にとって受け入れられにくい状況を生んでしまうので、丁寧にリサーチをおこない、そこから未来を見据えることで形にしています。過去と未来を繋げていくことが、自分たちの一番大切な考え方です。
全く新しい文脈でつくると、既存の人たちや市場にとって受け入れられにくい状況を生んでしまうので、丁寧にリサーチをおこない、そこから未来を見据えることで形にしています。過去と未来を繋げていくことが、自分たちの一番大切な考え方です。
山本:私はINNOVACIAブランドをつくっていく過程で、これまでのオープンハウスのマンション自体が革新的だったことに改めて気づきました。元々容積が増えるように共用部を極力小さくして、適正価格で提供していますが、こういうことを他の会社はあまりやっていないと思います。私たちの根本には、他に追従するのではなく新しいものを積極的に取り入れ成長していく、という考えがあるのだと感じました。
INNOVACIAも他のマンションがやっているような高級路線にはいかないと決めました。おそらくみんなが高級だと思うようなマンションをつくるほうが簡単だと思うんです。ですが、挑戦し続けることを大事にしている社風なので、これまでにない価値を実感していただける新しいマンションをつくろうと考えました。
普通、今まで十数年やってきたブランドの名前を変えることはやらないと思いますが、何も変わらないのは面白くないですし、それこそ成長に繋がらないので変化する。常に新しいものを取り入れるオープンハウスの精神を、今回のプロジェクトを通じて強く感じました。
普通、今まで十数年やってきたブランドの名前を変えることはやらないと思いますが、何も変わらないのは面白くないですし、それこそ成長に繋がらないので変化する。常に新しいものを取り入れるオープンハウスの精神を、今回のプロジェクトを通じて強く感じました。
本ブランドが掲げている「本当に価値あるマンション」とは何でしょうか?
山本:自分がその価値をわかっていることだと考えています。例えば、最近はプリント技術が発達してきていて、本物かシートか離れたところからみたらわからないんです。ただ、見た目は同じようなものを、こっちが本物でこっちは偽物だと自分はわかっている。このように誰がどう思うかではなく、自分自身が感じる価値が本当の価値だと思います。
柳原:そうですね。多くの人は目に見えているものを重要だと意識しやすいですが、本当の価値はもっと本質的で、見えているもの以外も含めたものだと思っています。
僕らが設計で一番大事にしていることも、この目に見えていない空気。例えば、石に見えるフィルムなのか、本物の石なのかで体感する温度や質量が全然違うんです。素材それぞれの存在感を活かすことで、感じ方が変わり空間全体の質も変わってくるので、見えてないところをどう追求するかを重視しています。そうすることで、本当の価値が見えてくると考えています。
3.オープンハウスが提案するイノベーションラグジュアリー
INNOVACIAブランドが掲げる「イノベーションラグジュアリー」の意図を教えてください。
山本:よくある高級マンションの設えではなく、既存のものとは異なる新しい高級感を提案したいと考え、イノベーションラグジュアリーを掲げました。例えば自分で起業してさらに大きくしていきたいなどの野望を持っている方が、日々の体験を通して豊かになれる空間を目指しています。
帰ってきたら落ち着き、出かけるときはテンションが上がる。全員が必要とは思わないかもしれませんが、ある人にとっては必要なものやこだわりを感じ、自分の住まいに誇らしさを感じる。そんな新たな価値が生まれる空間をイメージしています。
柳原:その背景を受けて、共用部は「目指す未来が見える、気持ちが高ぶる空間」にしようと思いました。
INNOVACIAのターゲット層は、仕事をバリバリやっている方をイメージしていて、朝早く、夜遅い方もいると考えています。そういう方達が共用部を利用することで、落ちつきながら未来を想像する。そういった豊かな時間が生まれる空間がイノベーションラグジュアリーだと考えています。
INNOVACIAのターゲット層は、仕事をバリバリやっている方をイメージしていて、朝早く、夜遅い方もいると考えています。そういう方達が共用部を利用することで、落ちつきながら未来を想像する。そういった豊かな時間が生まれる空間がイノベーションラグジュアリーだと考えています。
そのため、今回はリビングの延長のような空間を提案しました。自分のリビングのようにくつろげて居心地のよさを感じるのですが、ちょっとした活力や高揚感も感じられる空間です。利用することで「自分の部屋もこうしたい」と、自然に想像が膨らむような設計にしました。
ラウンジ完成予想CG*©Chinoko Sakamoto
エントランスホール完成予想CG*
柳原:また、この空間にあるアートがライフスタイルの一部になってほしい、という意図も込めました。
1度見るだけであれば、人は新鮮さを求めますが、自分が気に入って部屋に飾るようなアートは、ライフスタイルが変わると見る意識が変わるので、ずっと豊かさを与えてくれるものだと思うんです。そういう日常の中に普通に存在しているものから、新しい気づきに出会い続けられる体験を共有部で感じて欲しいですね。
1度見るだけであれば、人は新鮮さを求めますが、自分が気に入って部屋に飾るようなアートは、ライフスタイルが変わると見る意識が変わるので、ずっと豊かさを与えてくれるものだと思うんです。そういう日常の中に普通に存在しているものから、新しい気づきに出会い続けられる体験を共有部で感じて欲しいですね。
4.合理性よりも体験を優先した、新しいマンションのあり方
いままでのマンションと本マンションの違いを教えてください。
山本:イノベイシア恵比寿は、住戸を一つ減らして共用部をつくっているんですよ。いままでは経済合理性を重視して、共用部を極力小さくしていた一方で、今回はそれぐらい気合いを入れて、体験価値のある空間をしっかり作り込もうと進めていました。
その思いを柳原さんに汲んでいただき、共用部ですが自分の家で落ち着くような、空間自体が価値になるものをつくっていただいたと感じています。
柳原:住戸を減らしたのは初めて聞きました(笑)。ただ、体験価値を大事にしたいという思いは、十分伝わってきていました。そこで、大きく意識したのはリビングに近いイメージです。
ソファに座れるといった機能面だけではなく、体感として自然に心がほどける、まるでリビングにいるような空間を思い描きました。一般的なマンションだと、パブリックとプライベートを明確に切り分けてしまうのですが、今回はエリアで区切らずに、エントランスから自分のプライベートな空間へつながるように考えましたね。
山本:建物自体も大きい通りから道路1本中に入ったところにあり、且つ、道路に面してエントランスをつくっていません。一般的には道路に一番近い部分にエントランスがあり、そこから入って自分の家という流れなのですが、緑に包まれたアプローチを設けたり、あえて少し距離のある共用部を通って自分の家へ入っていく設計にしています。
外観完成予想CG*
山本:自分の家が外界とパツッと切れるのではなく、広がりのある空間から中に入っていき、緩やかに中へつながっていく。そういった余白があることで、外にいたときの緊張感から少しずつリセットされて自分の家に帰ってくるような体験を、ゾーニングの段階でイメージしていました。
つながりを意識した空間とのことですが、庭があることもその考えからですか?
山本:柳原さんの提案があり、庭を外とつながる空間として活かしました。
多くのマンションは中に入ると壁だらけで暗くなりがちなので、当初から庭を見える空間にして、落ち着きや空気感の良さを感じてもらいたいとは思っていました。そこに対し、柳原さんがさらに魅力的な空間を提案してくださいました。
多くのマンションは中に入ると壁だらけで暗くなりがちなので、当初から庭を見える空間にして、落ち着きや空気感の良さを感じてもらいたいとは思っていました。そこに対し、柳原さんがさらに魅力的な空間を提案してくださいました。
柳原:せっかく庭があるので、ただ見えるものではなく外と中がシームレスに続き、中の延長線として体感できる設計にしています。具体的には、外の植栽がラウンジの延長になり、その後ろに少し斜めに打った壁があることで、空間としての広がりが生まれ、敷地の中に庭があると感じるように設計しました。
朝はそこから日が入ってくるので、出かけるときにその光を柔らかく感じる。一方で夜に帰って来るときは、庭がライトアップされ奥行きを感じるような空間構成になっています。
ラウンジ完成予想CG*©Chinoko Sakamoto
5.空間をつなぐことで生まれる、居心地という価値
本マンションの1番魅力のあるポイントはありますか?
山本:1番はなかなか難しいですね。というのも、それぞれの空間で場面が移り変わり、体験も変化していく。その全体を体感する居心地の良さこそが魅力だと思っています。どこが1番というより、それぞれが重なりあって完成する空間だと感じます。
柳原:まさにそこを意識していました。先ほども話しましたが、共用部全体を1つの空間だと捉えていて、今回はプロムナードアーキテクチャという考え方を取り入れています。目に見えているその一瞬で空間を体験するのではなく、歩きながら空間体験が変わっていくことを意識して設計しました。
町や駅から帰ってきて、エントランスからエレベーターまでの少し長い距離を歩くことで、気持ちが緩やかに変わっていく。人によって住んでいる階も部屋の設えも違いますが、共用部が自分たちの家の一部だと感じてもらえたらと思っています。
エントランスホール完成予想CG*©Isabelle Carr
エントランスホール完成予想CG*
最後に本マンションに住む方に伝えたいことはありますか?
山本:シームレスにつながる空間の使い方や体験価値を気に入って住んでいただきたいなと思います。
今回のイノベイシア恵比寿が、その方にとって長く価値を感じ続けられる住まいになればいいなと強く思います。
今回のイノベイシア恵比寿が、その方にとって長く価値を感じ続けられる住まいになればいいなと強く思います。
柳原:部屋の中は毎日利用するので、敷地全体を含めて居心地の良い体験をしてもらいたいと思っています。
設計する段階でどういう方がここを利用するのかを考えていて、実際住まわれる方も、そこを訪れる方も、そこを管理する方もいて、いろいろなシチュエーションを想像して設計しました。様々な方がご自身の体験価値を上げるものとして、共用部という空間を利用してもらえたら嬉しいです。
設計する段階でどういう方がここを利用するのかを考えていて、実際住まわれる方も、そこを訪れる方も、そこを管理する方もいて、いろいろなシチュエーションを想像して設計しました。様々な方がご自身の体験価値を上げるものとして、共用部という空間を利用してもらえたら嬉しいです。
※掲載のエントランスホール完成予想CGは図面を基に描き起こしたもので、実際とは異なります。また、形状の細部及び設備器機等については省略しております。家具・調度品等の形状・色等は、今後変更される場合があります。植栽は特定の季節やご入居時の状態を想定して描かれたものではございません。
※掲載のラウンジ完成予想CGは図面を基に描き起こしたもので、実際とは異なります。また、形状の細部及び設備器機等については省略しております。家具・調度品等の形状・色等は、今後変更される場合があります。植栽は特定の季節やご入居時の状態を想定して描かれたものではございません。
※掲載の外観完成予想CGは計画段階の設計図書を基に描き起こしたもので、実際とは異なります。雨樋、エアコン室外機、給湯器、フェンス、給排気口ベントキャップ、避難ハッチ等は省略、または再現されていない設備機器等がございます。植栽は特定の季節やご入居時の状態を想定して描かれたものではございません。敷地周辺の電柱、標識、ガードレール等については省略しております。
※掲載のラウンジ完成予想CGは図面を基に描き起こしたもので、実際とは異なります。また、形状の細部及び設備器機等については省略しております。家具・調度品等の形状・色等は、今後変更される場合があります。植栽は特定の季節やご入居時の状態を想定して描かれたものではございません。
※掲載の外観完成予想CGは計画段階の設計図書を基に描き起こしたもので、実際とは異なります。雨樋、エアコン室外機、給湯器、フェンス、給排気口ベントキャップ、避難ハッチ等は省略、または再現されていない設備機器等がございます。植栽は特定の季節やご入居時の状態を想定して描かれたものではございません。敷地周辺の電柱、標識、ガードレール等については省略しております。
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